日報(的鳩もよ)

1992年生まれ。水の近くが好き。 Twitter:matobatomoyo

0819 mon

夜明けの音戸の海を、ポンポンポンポン……と音を立てて船が渡ってゆく。かつての洗濯機はああいう音がしたから、洗濯船と呼ばれていたらしい。奇遇にも、今泊まっている宿の名前も洗濯船という。小気味よい音はどちらかというと眠気を誘う。布団にもう一度横たわる。

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1年前、旅を辞めた。使っていた宿のサブスクリプションサービスのプランが変わってしまったから、というのもあったけど、旅が疲れたからやめた。その後京都で一人暮らしを始めて1年半ほど経ち、せっかくプライバシーが守られた城を持ったというのに孤独にしとしと病んでいる。

旅暮らしに疲れたり、京都の一人暮らしに孤独を感じたりしているのではなく、今の仕事が、私の暮らしの習慣が「そう」させているのではないか、と今では思う。

そんなことを考えながらうつらうつら眠ると、仕事のチャットが開けない夢や、同僚がこっぴどく振られている夢を見た。仕事が脳みその皺まで入り込んでいる。ぼんやりした頭で荷造りをする。冴えてないと、場所から場所へ荷物を移動させているだけになる。

キッチンに降りると、昨夜に遊んだ子のお母さんにお礼を言われた。笑いのセンスがあってずっと爆笑していたこと、私の反応を見ながらボケを変えていくエンターテイナーだったことを伝えた。

 

荷造りを終えて坂を下り、フロント兼居間の役割の古民家に着く。少年たちはもうご飯を食べ始めていて、スタッフの方が私のためにフレンチトーストを焼いてくれていた。ソファに座って本を読んで待っていると、兄弟が自然と私の隣に座ってくれて嬉しくなる。「一緒にユーチューブが見たい」とショート動画を見せてもらった。なるほど、これって子供が見ると面白いのか、そして一緒に見たいって思うんだ、という発見。

記念に手帳に落書きをしてもらう。おじさんを書いていたら、突如足の間に線。「おしっこ!」と笑っている。さすが小学一年生だ。お下品よ、と言いながらおしっこであろうあたりを黄色で塗ってやると爆笑していた。こういう時、無責任の大人だから一緒に爆笑できて楽しい。爪楊枝で遊びを見つけたり、即席の歌を歌ったり、子供の着眼点と発想力に感動しっぱなしだった。元気をもらえる。

京都へ向かう新幹線は行きの半分くらいの時間だった気がする。

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